日本の運輸部門での最終エネルギー消費

 IEA(International Energy Agency)が各国のエネルギー消費データを毎年公表しています。その中からコロナ禍前とコロナ禍最中の日本の運輸部門での最終エネルギー消費を分野別に表にしてみます。コロナ禍前のデータとしては2018年のもの、コロナ禍最中としては2020年のものを示します。2021年以降については、まだIEAのHPでは発表されていませんが、発表され次第更新していきます。 
 なおエネルギーをはかる単位としてMtoe(メガ石油換算トン)が用いられています。これはエネルギー量として等量になる石油重量を、百万トン単位で測ったらこの量ですよという意味です。例えば2018年日本の工場で消費された最終エネルギーの総量は、石油に直せば8千三百四十万トンでした。下の表で見るように、道路上で消費されたエネルギーは6千二百二十万トンでした。工業大国日本の工場での総エネルギー消費に迫るエネルギー量です。
 コロナ禍前の2018年のデータには、百分率も示してあります。
 表で見るように、道路上での消費の大きさに比べて、鉄道上でのエネルギー消費の小ささが目立ちます。新幹線がこれほど頻繁に走っても、大都市圏の通勤電車が走っても、空路や海路に比べても、小さいのです。鉄道は持続社会での有力な乗り物なのです。その理由は鉄道の上を走行するので、運動に対する抵抗が格段に小さくなるからです。

消費場所2018(Mtoe)2018(%)2020(Mtoe)
道路62.288.256.0
鉄道1.72.41.7
空路(国内)3.05.01.8
海路(国内)3.14.43.0
トータル70.510062.4
運輸部門のエネルギー消費場所   IEA-HPにあるsankey図データから作成