京都市の公共交通機関収支の推移

 京都市の公共交通機関の主たる運営者は市です。近年の観光客の増加、そしてコロナ禍は収支にどのように反映しているのでしょうか。市の交通局がHPで公表している資料を使い、まとめてみました。膨大な資料のうち平成13年度の決算、コロナ前の令和1年度の決算、そしてコロナ渦中の令和4年度の予算から抽出したものです。バス、地下鉄について、収入では運輸収益(要は乗車券による収入でしょ)、支出では、人件費、経費(管理の受託費、燃料、修繕費などとなっています)、減価償却のみ表から取り出しています。

H13年度(決算)R1年度(決算)R4年度(予算)
運輸収益(バス)190億50百万円200億15百万円163億63万円
運輸収益(地下鉄)190億62万円257億73万円211億93万円
人件費(バス)181億57万円70億02万円87億89万円
人件費(地下鉄)67億31百万円52億76万円59億22万円
経費(バス)60億71百万円101億45百万円115億44百万円
経費(地下鉄)131億12百万円70億89億42百万円
減価償却(バス)13億87万円17億42百万円18億63百万円
減価償却(地下鉄)134億34百万円129億59百万円143億57百万円
京都市運営の交通の収益の推移。京都市交通局発表データから抜粋。なお令和元年度の決算報告によると、市バスの経費は管理の受託費、燃料、修繕費等、一方の地下鉄では経費は動力修繕費等とある。

地下鉄経費大幅減の理由は、駅の運営の委託(4駅)を平成21年度から行った。地下鉄経費は125億49百万円(H20年度)⇒65億89百万円(H21年度)に減じた。一方バスの経費大幅増の理由ははっきりしない。というのはこれについては徐々に値上がりしているからである。
バスの人件費の大幅減少は、平成10年代後半に「管理の受委託」の拡大の1年前倒し実施(H18決算)にあるように、委託拡大により人件費が減少したためと考えられる。平成15年度の127億円から平成20年度の52億円へ、五年をかけて半減以上の効果である。