東京一極集中をテーマにする都知事候補者がいる!!

 東京都知事選が面白くなってきました。東京都知事に立候補しながら、東京一極集中を問題にしている人も居るのです。東京都民だけが選挙権を持つ東京都知事選に、日本の構造を変えようという意識を持った人が立候補したのです。そして興味あることに、その候補者に多くの東京都民が、ボランティアで活動支援を申し入れているそうです。東京も捨てたものじゃなかった。希望が持てる状況が生まれつつあります。
 東京都知事選がカオス的な様相を帯びてきました。先の衆院三補選の東京版でもイレギュラーなことが起きていましたが、今回の選挙の混乱は、まさに東京を中心とする日本の行き詰まり状況を端的に表しているように思えます。そしてその責任の一端は、このような事態を、形式民主主義を基に招いてしまった東京都民、およびその思考を主導した東京メディアにな全くないとは言えません。また戦後日本の素晴らしく平和主義ではあるが、日本の伝統とも世界史の深い理解とも相容れぬ、日本国憲法に問題があったとも考えられます。その憲法を改定するためには、日本の伝統とそして未来へ向けての哲学を、日本人として生み出すことによってのみ達成できると考えれば、単なる政治日程で憲法を問題にする岸田政権は、もはや死に体であることは明白です。

東京都は都民ファーストの会など無くても都ファーストである

 小池都知事は都民ファーストの会なる組織を立ち上げました。あのトランプのまねです。そしてその会は今でも動いています。
 都民ファーストと主張する人々と、アメリカファーストを主張する人々はどこが違うの。いやどこが同じなの? 全く関係ないという考えは成り立ちません。何故ならトランプのアメリカファーストの言葉を借りて都民ファーストの言葉が出てきたのですから。え、そうなのって思う人もいるかも知れません。でも20世紀後半を現役世代として生き抜いた私は、20世紀後半に「地域」ファーストというスローガンは聞いたことがありません。少なくとも日本では。そしてそのころ頻繁に訪れていたアメリカや主要ヨーロッパ諸国では。余裕ある地方の住民は、最貧国のことを考え、それをできる限りに置いて、改善することが大切だと思っていたでしょう。
 しかし都民はそのような会を作らずとも、疑う余地もなくファーストに優遇されています。経済の一極集中、その結果の経済優遇、長期にわたってのインフラ整備の結果、都内に張り巡らせた公共交通手段。マスメディアも集中していますから、全国に報じられる報道は、ほとんどすべてが東京からの目線。近年問題にされ、嫌われ始めた上から目線に対して、東京からの発信は地方を見下した発信としか思えないものがほとんどです。東京目線、すなわち上から目線。東京の人たち、これを良く知っておいてほしいと思います。勝ち組、負け組という嫌な言葉が、30年ほど前流行ったように記憶しますが、東京の人は日本の中で勝ち組なのです。
 一方その都民の大部分が、二代・三代先には地方から東京に出てきた「田舎者」だったことは、東京集中が高度経済成長期に始まったことを考えても明らかです。そのくせ地方を蔑視することは、自分の出自を蔑視することになるとは、東京では誰も思っていないようです。
 そして今度の選挙戦で小池百合子氏が強調したのは、首都防衛と東京を世界一にすることでした。世界で一番の町である東京を防衛する。そりゃ都民には受けまっさ。でもこの人一番が好きだな、大学も一番で卒業なんて。でも一番は嘘だったことを自白していますが。ところで一番の都会ってどういう意味?
 東京はすでに一番になってます。日本ではもちろん、世界でも人口の多さで。ヨーロッパに人口が一千万を超えて集中している都会はありません。ニューヨークでさえ人口は集中している部分でおよそ800万人。ヨーロッパの最大規模の都市ロンドンもこのくらいです。一方ベルリンは集中している領域では300万人。それでもドイツ最大の都市。パリはおよそ200万人と言います。
 一方東京は東京都の外でも集中が続き、千葉・埼玉・神奈川を加えると人口は三千五百万は優に超えます。こんな過密な都市はいわゆる先進国にはない。この過剰人口のおかげで、集中したエネルギー消費地域として、世界第一のエネルギー消費になっているのではないかと思います。こんな一番、未来に向けて自慢できると思うなら、その理由を言ってもらいたいものです。間違いなく持続社会という観点からは、ビリになっています。そういえば一番であるというのはビリでもあると誰かが言ってましたね。あれコイケユリコって小娘じゃなかったかな? 東京都に、一番でありビリでもあることを続けさせたいのかな?

巨大都市東京が日本の停滞を生んでいる

 失われた30年。バブルがはじけて日本経済が低迷に陥っています。理由は何か? ずばり言いましょう。東京中心が停滞の元になっている。
 バブル崩壊後に東京再開発が始まりました。高層ビル群が東京を象徴するようになったのは、バブル崩壊後です。これは東京の人ならちょっと調べれば解ります。あの時のバブルは不動産バブルでした。不動産バブルで、古い建物が建ち並ぶ東京の土地が高い値段で売買されました。そしてバブルがはじけました。それが現在の日本の停滞の始まりです。
 バブルの崩壊後も東京は変わり続けました。それまでと同じように。いやもっと激しく。高層ビルが建ち並び、地下鉄も深い地下に新線が敷かれ、地下空間が巨大化しました。そのためエネルギー消費が暴増しました。その勢いは今世紀に入ってもしばらくは収まらないほどでした。間違いなく東京に莫大な資金が投入されたのです。国税か都税かその専門外の私には解りませんが、明らかに直接的にか間接的にか、補助金を受けているでしょう。
 しかしその投入は失われた30年の始まりを告げただけでした。東京を変えて行っても、もはや日本は成長しなくなったのです。この事実をこの際直視しようではないですか。東京を進化させることは、もはや日本の停滞を招くだけであることを認識しましょう。都知事選で軽々しく叫ばれる東京の進化は、全く意味が無いことを、失われた30年が示しているのですから。
 日本の停滞は経済だけではありません。質も低下しました。政治家の質の低下は、すべての日本人が感じていることでしょう。メディアの質も明らかに低下しています。特に東京の主たるメディアの質の低下は、目もあてられません。東京目線ー上から目線ー見え見えです。

東京都知事選で東京一極集中を問題にする

 石丸伸二と言う人が都知事選に出たそうです。この人の発言の中で東京一極集中是正というのがありました。私は前からそれをやれば良いのにと考えていましたから大賛成です。
 東京目線では、日本の人口が減少するから経済の成長は見込めないという発言だけ聞こえてきます。しかし日本の人口は一億二千万以上、ドイツの人口は八千万。人口が日本の三分の二程度しかないドイツに、GDPで負けてしまった。人口が少なくなるから・・という理由は、もっとよく考えてから発言してほしいものです。
 東京では出生率が1を切ったそうです。東京にいると子供を持とうという気が無くなるのでしょう。東京から京都に移り住んで、身近な生活圏の中で子供二~三人連れの両親という姿を頻繁に見るようになりました。自転車でゆっくり5分ほどで行けるショッピングセンターで。年金生活になって、毎日のように行っています。同じように鴨川や疏水にも。東京での日常生活ではおよそ見られない光景です。東京では一時間かけて毎日仕事場に行き、そして休日には一時間以上かけて、子供達も一緒に遊べて楽しめる場所に行くのが常識ではないでしょうか? そんな環境の中で若い人が子供を産みたいと思えます? 休日は寝て暮らすのが一番。そう思うのが自然でしょう。
 東京一極集中は少子化を生むのです。地方をそれぞれに活性化させ、移住者を東京から積極的に移すことで、少子化現象の緩和は可能でしょう。東京圏の人口は全国の三分の一程度ですが、ソウル圏の人口は韓国の半分に上るそうで、少子化問題は事実東京より深刻なのだそうです。日本の為にも、東京都民の為にも、東京一極集中を問題視する都知事は、歓迎するべきなのです。
 地方移住奨励金を東京都の豊富な財源から出しましょう。国もそれに追従するでしょう。首都防衛というむなしい言葉では、世界を見てもあり得ない人数の千四百万の人を、有事の際防空壕などに避難させることは出来ないこと、誰の目にも明らかでしょう。世界一の町だとすれば、平凡な漫画でもそれを攻撃しようという筋書きを考え出すでしょう。攻撃してくださいと世界に発信するようなものです。
 それとも首都防衛のために、かつて東京を襲ったゴジラを使うのかな? そうかゴジラを探すために、都民の税金を使うといっているのか。 
 いやいやもっと見せかけ科学的かも知れへんで。通勤地獄を解消させるため、二階建て電車を走らせようと選挙公約にしたように、中学生でも解る明らかな嘘の期待で、来たるべき核攻撃に備えようというのかな? ちなみに二階建て電車を山手線で走らせると、二階建ての為の工事費用を無視しても、脱線転覆事故による被害が相次ぐでしょう。それを避けるには、中学校でも習う遠心力の計算で、電車の速度を劇的に遅くしないといけません。二階建ての電車は、単純計算で車両の重心が二倍の高さになります。(満員電車では、実際はもっと高くなりますが。)そして車両の重心の高さが二倍になれば、遠心力による危険性を避ける為に、速度を四分の一に抑えなければいけません。二階建ての電車は、乗り降りの効率を無視すれば、二倍の運送力を生みますが、その電車が曲がるときには(山手線は宿命的に曲がります)、速さをおよそ四分の一に落とさなければいけないのです。そこで出勤の為の時間を同じと考えれば、首都東京に出勤出来る人の数は、現在の半分に減らす必要があるのですね。東京一極集中を避けなければならない、あきらかな理由の一つです。
 漫画家ならはったりでそのようなアイデアを出す人もいるでしょうが、それは漫画の世界です。それでなくとも狙われやすい首都。そこに住む住民を極力減らさなくちゃ、都民ファーストは誰でも解る嘘になります。え、解らない? 義務教育受け直してください。夜間中学を充実させましょう。自称カイロ大卒の現都知事も、中学の理科から勉強をやり直す方が良いかも。