ウェストミンスター寺院とニュートン

エリザベス女王の国葬を、厳粛な気持ちで見ました。特にウェストミンスター寺院までの、一糸乱れぬ隊列のなかに、英国の伝統を見る気がしました。威厳に満ちた美しさを保ちながら、いざ何かあれば女王の廻りを固める近衛兵は、そのまま守りの陣を敷く。そして前衛のまた後衛の部隊は遊撃隊として、指揮官の命のまま臨機応変の動きが出来る。そのような適切な幅の隊列であり、また動きが取れる空間を保った前後の配列でもありました。あの隊列は、最近見慣れたロシア、北朝鮮、中国などの単に威圧的な、しかし機に応じた動きが取れない行進ではなく、エリザベス一世の時代の行進が、そのまま残っているのではないかと思うような、伝統美に支えられた行進でした。

その行列を見ながらアナウンサーが、ウェストミンスター寺院の解説をしていました。「歴代の国王やニュートンなど英国に貢献があった人達が眠る・・」

私は今、17世紀に始まった近代思想の土台が大きく崩れ始めて、人類の新しい時代を建設する、21世紀をそう考えています。新しい時代はどのような時代か? 決まっています。持続する世界を造る時代です。そのためには、西欧近代思想を乗り越えて、新しい考え方、倫理観、価値観が育って行く時代だと思っています。17世紀イギリスを中心としたヨーロッパのような、大きな考え方の違いを世界規模で育てていく、そのような時代だと思っています。そうしなければ、人類は生き残れないかも知れない。いや生き残れるとはとても思えない。

そんな大規模な改革は、近代ヨーロッパにしか、世界史的に見てありません。だから近代が中世をどう乗り越えたのか、それがこれからの時代の大きなヒントになる、そのように感じています。

ニュートンが作り上げたニュートン物理学は、ヨーロッパ近代を支える大きな柱の一つです。かつて経済学者は、ニュートンのプリンキピアのように経済学を構築したいと考えていました。現代の経済学の流れは、近代の経済学から始まったのですが、果たしてその経済学は、そのまま「役に立つ」経済学なのか? 現代という時代を知るにも、ニュートンが何を行ったのか、それを知らないことには、近代とは何かを考える柱を一つ、失うことになります。

ニュートンは何を行ったのか?

ニュートンは何を行ったのでしょう。皆さん名前だけは知っているでしょう。万有引力を発見した。その通りです。そしてその公式を知っている人も、いらっしゃるでしょう。でもそれが近代を作り上げる柱の一つに何故数え上げられるのか?それに対して答えを言える人は少ないでしょう。

ニュートンは万有引力の法則で、地上界と天上界の分け隔てを取り除いた

ニュートンの万有引力の法則は、ガリレオが研究した地上の物体の運動と、ケプラーが研究した天上の(天体の)運動が、どちらも万有引力の法則を用いて統一的に説明できることを示しました。それを論理的に演繹できる数学を使って説明したのです。

そんな公式みたいなこと、言わんといて

そんな公式みたいなこと言わんといてって言葉が返ってきそうな。そうです。上記のような形ばかりの説明は、何の役にも立たないのです。それが文化の差です。近代は西洋から生まれました。そして産業革命を経て、近代西洋は圧倒的な力を持つようになりました。そしてその流れが20世紀まで続きました。しかし21世紀にそのままの流れが続くのか、何か新しい価値観を加えなければならないのか。それが今問題なのだと思います。

万有引力の法則はどんな意味を持つのか?

万有引力の法則はどんな意味を持つのか、何故それが四世紀経った今も、英国女王の国葬の際に、アナウンサーが引用するまでになっているのか、そのような問いに、このブログで少しずつ私なりの考え方を紹介していきたいと思います。

エリザベス女王、お疲れ様でした。どうか安らかにお休み下さい。遠く離れた日本から合掌。

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