桜咲く

令和5年の桜の開花を近場である琵琶湖疏水の畔に、追ってみることにしましょう。まずはWBCが始まったばかりの3月10日からです。昨日は中国に、そして今日は韓国に勝ち進みました。まずは順調なスタートです。

2023-3-10

3月10日の桜の枝です。今日も良い天気。一週間ほど暖かい日が続き、今日も最高気温は20℃を越えました。蕾も芯に薄緑の色が見えてきました。今年初めに書いた疏水の話の中の写真と比べてみて下さい。
 桜は秋深まった頃、艶やかな紅葉を経て、少しずつ葉を落としていき、12月半ばには枝は完全に冬枯れ状態になります。それでも新年の記事の中の写真にもあるように、蕾はしっかりと次の年の準備を始めているのですね。そしてそれから3ヶ月、桜の木は全く変わらないように見えますが、良く見ると蕾に緑の芯があることが解ります。後3週間後には桜は咲き、散り際さえ迎えているでしょう。そして新緑が吹き出ます。その記録をご覧下さい。

2023-3-12

二日後です。暖かい日が続きました。桜のつぼみも少し膨らんで、二日前より丸みを帯びています。茶色の薄い膜を破り、つぼみの中心部が出てきたのですね。
 土色の 殻を破りて 水音に 緑増したる 桜花かな

一方近くには、古い紅葉の木が生えており、枝からは紅葉の葉の蕾が沢山吹き出ています。
こうしてみると、どちらも春の訪れを告げていますが、花の数より葉の数がずっと多いことが解ります。当然ですね。葉は自身にエネルギーを与えるためのもの、生きて行くために第一に必要なものです。そして葉は動物たちの餌になり、食物連鎖の初めでもあります。こうして冬を越えて命が連綿と繋がっていきます。昔から変わることなく。

2023-3-14

更に二日後です。昨日の朝は冷たい雨が降りましたが、今日は晴れて温かい日となりました。一昨日見た紅葉の枝には、蕾のからを打ち破って、紅葉の若い葉が顔を出しました。葉の蕾を沢山つけた枝の真ん中ほどに、薄緑の小さな葉が見えているでしょう。桜の花がすべて散る頃、紅葉の若葉はその初々しい姿で人を魅了します。

一方桜の枝には、今日も蕾の生長が見て取れます。丸みを帯びた蕾が、丸みを増しまた少し長細くなりました。今は未だ中心部に収まっている花びらが、花房の先から出てくる準備を始めたのですね。
今日、東京では多くの場所で開花が見られたそうです。3月14日に桜の開花を見るのは、最も早い開花日で、3回目のタイだそうです。さすがに全国に先駆けて早いのは、単に温暖化の影響だけではなく、ヒートアイランドも関係していると専門家も言っていました。私はずいぶんと前から、東京のヒートアイランドに注目すべきと言っているのですが。そしてヒートアイランドの主たる原因は、密集した都市でそれだけ集中的にエネルギーが消費され、消費されたエネルギーは、厳然たる物理学の法則で消費したエネルギーと等量の熱が発生するからであるとも。

3-17

今回は一日おいて三日後の情景です。基本的に同じ場所、それも出来るだけ同じ木を写しています。近くの疏水に立ち並ぶ多くの桜の木はまだ開花していませんが、毎年早く咲く場所を選んで、これまでもそこの木の枝を写してきました。今日はその場所に一輪見事に咲いた花がありましたので、それをご覧下さい。また三日前までは緑の塊だった蕾が、すべてピンクに変わり、明日にでも開花しようと萌え始めています。

京都も開花しました。3月10日から見ている同じ桜です
先がけの 喜び満ちて 桜花 五弁に白く 命輝き
疏水の同じ木。こうしてみると未だまばらです。
紅葉の葉の生長のほうが早いように見える

3-20

さらに三日後です。今日は疏水ではなく高野川に散歩に。疏水は高野川より少し早い感じなので、疏水はもっと咲いているかも。青い空に浮かぶ雲が桜に乗り移っているような。花の開花状況は、三日前の疏水の状態に似ているような・・。

今日は高野川の桜I
高野川の桜II

冬枯れの 枝が取り込む 春の雲 花に広がる 青空眩し  

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二日ほど体調を崩したので、間四日を取った五日後の写真です。今回は再び近くの疏水の風景です。あっという間にほぼ満開ですね。明日の日曜京都は雨。その後月曜から四日続けて晴天の予報。その間の花の楽しみですね。全くの蕾の状況だった3月10日の二週間後には、これほど見事に桜は咲くのです。桜のそばにいると京都では、春は急速に訪れるようにも感じますが、実はよく観察すれば、12月の蕾と違い3月10日の蕾は明らかに開花に近づいています。日本の多くの地域は、東京一極で冬に追い込まれ、長い冬を過ごしていますが、開花の蕾が地域の人で準備され、蕾が大きく膨らんでいる地方都市も多く有ると感じます。開花すればあっという間に景色を変えてくれるかも知れません。
 10日にはまだ2勝を上げたばかりだったWBCもあっという間に終わり、日本が劇的な優勝を遂げました。イヤー大谷選手すごいですね。まだ博多で小学生だった私が、大熱狂した鉄腕稲尾以来の感激でした。まさに神様、仏様、大谷様です。ある年の日本シリーズで巨人に3連敗を喫した西鉄ライオンズは、稲尾自身が打ったサヨナラホームランと、投手としてシリーズ7戦の内6戦を、先発、リリーフ、押さえで投げ続けた稲尾の活躍で、日本シリーズを制した伝説的な試合が1950年代にありました。そのとき出来た言葉が、神様、仏様、稲尾様でした。そして高度経済成長が始まりました。ちなみに断っておきますが、西鉄は日本シリーズを三連覇し、その後高度成長の波に乗ってシリーズで勝ち続けたのが、ジャイアンツです。東京は地方の力をすべて吸引して成長しました。地域の力は博多であり、北海道であり、大阪であり、京都であり。島根・鳥取でありました。
 若い人達が活躍する新しい未来が、見えてくるような、素晴らしいWBCでした。

紅葉の若葉もすっかり顔を出しました。

3-27